美術作品が生活の中に自然に入り込む為の一つの提案として生まれたコンセプトモデルです。
日本では古くから、スタンダードなスタイルを守りつつ、それを自己流にカスタムし、自分だけのオリジナルな製品を生み出す文化がありました。刀剣の場合、鞘にはその家特有の家紋が入り、鍔は好みに合わせ透かし彫りや螺鈿で装飾され、刀身も身の丈に合わせて修正されます。馬具や茶道具、アクセサリーに至るまで、工芸品と呼ばれるもののほとんどが、同様に所有者と密接な関わりを持っていて、現代よりも、人と物の距離がひじょうに近いものでした。
プレミアム・ユニット・シリーズは、現代人の生活空間の中でもきわめてシンプルで、個性の無い(個性を必要とされない)4種のオブジェを彫刻作品として解釈し、持つ者がオリジナルペイントを施すことによって、生活をより豊かにするツールとして考案されました。従って、フォルムは、ペイントが栄えることを第一に考えデザインされた、流れるようなカーブで構成され、機能を無視した使いづらいものになっています。‘オーナーが行うカスタム’がメインテーマの彫刻であるため、カスタムはカラーリングに止まらず場合によっては、フォルム自体に手を加えたり、新たにパーツを装着しても良いかもしれません。形があって無いような、色があって無いような、提案型の作品の‘答えのひとつ’として見ていただけたらと思います。
ともかく、、ものに愛情を注ぎ大切に伝えていく文化があって、はじめて成立する作品です。